後田亨さんの『この保険、解約してもいいですか?』は、保険の選び方や保険業界の裏側を詳しく解説しています。この本を読めば、「やっちまった!保険に入っちまった!」と叫びたくなるほど、今までの保険の選択や関連する知識に驚かされることでしょう。
この考え方を知ってから我が家でもすぐ見直し開始!医療保険や地震保険
、生命保険と夫婦で加入していた不要な保険をバッサリ解約していきました。投資は投資、保険は保険と分けて考える。確率小・損失大の出来事に備えることを学びました。
本書は、以下の3つの大きなテーマに基づいて構成されています
- 保険は確率で損失大にのみ備えるべき
- 保険は入るほど損
- 学資保険の罠
以下、各テーマに基づいて詳細を説明します。
1. 保険は確率低、損失大にのみ備えるべき
後田さんは、保険は「確率は低いが、損失が大きい場合にのみ加入する意味がある」と強調します。具体的には、「自立していない子供がいる世帯主なら、期間限定で死亡に備える保険1本だけが必要」とのことです。
- 世帯主の死亡保険
- 期間限定で大丈夫: 自立していない子供がいなくなれば、保険の必要性も下がるため、子供が成人するまでの期間限定での加入を推奨しています。
- 掛け捨て保険の推奨: 小額で大きな保障を得られるため、無駄な手数料が少なく、効率的な選択肢となります。
掛け捨ての保険は、少額の支払いで万が一の事態に備えることができるため、合理的です。多くの人が払った保険料の一部が、不幸な出来事に遭遇した少数の人に支払われるシステムで、言い換えれば、宝くじの構造と似ています。
2. 保険は入るほど損
保険は「入るほど損」と後田さんは主張します。その理由は以下の通りです:
- 保険会社の取り分が40%〜80%と多すぎる
- ライフネット生命の例: 決算資料によると、保証料の43%〜46%が保険会社の取り分として計上されています。
- 対面営業の保険会社では、取り分がさらに多く保険料の80%くらいと試算できる例があります。
- 貯蓄型保険の問題点
- 高い手数料: 返礼金がある保険(例: 終身保険や学資保険)は、手数料が高く、結果的に積み立てにまわるお金が少ないため、増えにくい。
- 投資信託と比較して劣る: 終身保険と投資信託を比較すると、終身保険の販売手数料は20倍以上となるケースもあり、結果的に貯蓄効果が低い。
具体例として、昔、自分が積立型保険に入ってしまった時の返礼率が150%であることが魅力的に感じました。しかし、新しい積立NISAなどを年利5%で運用すれば、30年後には432%以上に成長する可能性もあります。つまり、貯蓄型保険は長期的な目線で見ると損をしてしまう投資となります。
また、自動車保険の例では、賠償責任保険は確率が低くても損失が大きいため加入が推奨されますが、車両保険は自分で修理費を賄える範囲であるため、加入の必要がないとされています。
3. 学資保険の罠
学資保険は、子供の教育資金を計画的に貯めるための保険商品として案内されますが、その仕組みには以下のような問題があります。
- 元本割れについて
- 加入10年までは解約すると元本割れするリスクがあります。例えば、1年間で払い込んだ保険料が11万円に対して、解約返戻金が約10万円しか戻らないなど、1万円以上の損失が出る仕組みです。
- 11年目以降、元本割れはしませんが、満期前の解約では利息が付かず、元本のみの返還となります。
- 定期預金や投資と比較について
- 定期預金で運用するよりもお得に感じるかもしれませんが、実際には元本割れリスクがつきまといます。
- 教育資金を貯めたいのであれば、学資保険ではなく、積立NISAなどの投資方法を利用する方が効率良く資金を増やせます。
まとめ
保険の選び方に迷っている方、あるいは現状の保険に疑問を持つ方にとって、この後田亨さんの『この保険、解約してもいいですか?』は一度読む価値があります。要点をまとめると以下の通りです。
- 保険は「確率低、損失大」に備えるべきものであり、養う家族がいる世帯主が期間限定で死亡保険に入るのが有効。
- 保険全体としては手数料が高く、入るほど損をする仕組みがあるため注意が必要。
- 学資保険などの貯蓄型保険は元本割れのリスクがあり、長期的な運用を考えた場合に効率が悪い。
保険についてしっかりと理解し、必要最低限の保険で賢く備えることが重要です。興味を持った方は、ぜひ本書を手に取り、自分にとって本当に必要な保険を見直してみてください。
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